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ガット船の安全管理:海上でのリスクとその対策その2

「ガット船の安全管理:海上でのリスクとその対策その2」

前回に引き続きそれぞれのリスクに対して、どのような対策を行っているのかについて解説します。
今回はリスクに対する対策についてです。


リスクを小さくするための対策について

最初に、ガット船での安全管理の重要性や具体的にどのようなリスクがあるのか、について解説しました。
では、実際の現場では、このようなリスクを小さくするために、どのような対策を行っているのでしょうか?
一般的には、次のような対策が行われています。

⚫作業手順の確認やルールの設定

作業マニュアルの整備や適切な保護具、作業用救命衣の着用を義務付けるなど、作業を行う際の方法や手順を設定し、作業前に確認するのが一般的です。
ガットクレーンを使った荷役を行う場合も多いので、乗組員に対しては安全教育を実施し、安全作業を実行することが大切となります。

⚫労働時間の管理と作業負担偏りの軽減

労働時間が長くなる、少ない人数での作業で一部の船員に大きな負担がかかる、などの状況では、疲労やストレスによって、さまざまなリスクが上昇してしまいます。
そのため、労働時間の把握や適切な休憩時間の確保等の労務管理を行っているのです。

⚫定期的なメンテナンスの実施

安全な運航を行うには、定期的なメンテナンスが欠かせません。
機械トラブルの発生リスクを小さくするためにも、とても重要となります。

⚫転倒防止対策の実施

ガット船で大きな問題となるのが、「転倒」です。
転倒した場合には、骨折などの大きな怪我につながる可能性もあり、また、転倒して運悪く、海中に転落してしまう場合もあります。
そこで、弊社では、対策として、滑りにくい靴(安全靴)を支給し、着用を義務付けています。
さらに、滑り止め仕様になっている塗装や素材を使った対策も行われています。
また、物が乱雑に置かれていると転倒するリスクも増大する恐れがあるため、整理整頓の徹底を行っています。

⚫海上に転落した場合の救助方法の確認

また、海中に転落してしまうリスクを想定して、転落防止の対策や、運悪く転落したしまった際にどのように救助を行うのか、あらかじめ救助方法を決め、訓練しておくことも大切です。
救助方法や救助に必要な設備が設置されていなければ、救助することができなくなってしまいます。

火災や疾病への備えも重要となる

ここまで、ガット船にどのようなリスクがあるのか、現場ではそのリスクに対して、どのような対策が行われているのか、について解説しました。
その他にも注意しておきたいことがあります。
それは、火災や疾病の発生についてです。
火災が発生した場合、海上では逃げる場所がないため、大きなリスクとなります。

そのため、船舶用消火器の設置などルールがあり遵守することが重要となるでしょう。
さらに、限られた空間となるガット船では、疾病によるリスクにも警戒しなければなりません。
近年では、感染症予防対策も重要となっています。

安全管理を行うには、乗組員はもちろんですが、船舶の所有者や関係者等の連携が重要となるのです。
ガット船で働く場合には、安全管理についての重要性を理解した上で、どのような管理が行われているのかを確認しておきましょう。

まとめ

ガット船には、さまざまなリスクがあります。
そのリスクをできるだけ小さくするためには、安全管理がとても重要となるのです。
さらに、リスクを小さくするために、しっかりとした対策を行うことが必要となります。
ガット船で働く場合には、安全管理の重要性を理解して、その企業がどのような安全管理を行っているのかを確認しておくとよいでしょう。

御前崎海運ではこのようなリスクに最大限の注意を払って運航しています。

参照サイト
令和5年度船員災害防止実施計画 資料
御前崎海運安全衛生協力会総会