株式会社御前崎海運

お知らせ

News

海運業界におけるサステナビリティの重要性

■サステナビリティとは何か?

サステナビリティとは、地球環境や社会、経済において、現在の世代が享受する利益を将来の世代にも引き継ぐことができるようにするための考え方や活動のことです。
環境への配慮はもちろんのこと、社会的な責任や経済的な安定も重視されます。
特に近年では、地球温暖化や資源枯渇といった問題に対応するため、あらゆる産業においてサステナビリティを実現するための取り組みが求められています。

海運業界もその例外ではなく、二酸化炭素(CO2)や他の温室効果ガスを排出し続ける現状において、業界全体がサステナビリティを追求することが急務となっています。
このため、効率的な燃料の使用、CO2排出量の削減、そして海洋環境保全の取り組みが業界全体の大きな課題となっています。

■海運業界の環境負荷と、それを軽減するための取り組み

海運業界は、世界貿易の約90%を担っており、その重要性は計り知れません。
しかし、輸送手段としての船舶は、燃料消費と排出ガスによって環境に多大な負荷をかけているのが現状です。特に、船舶から排出されるCO2は、海運業界全体の温室効果ガス排出量の大部分を占めています。

この問題を解決するために、海運業界ではさまざまな取り組みが進められています。例えば、CO2削減のための技術開発が急務となっており、船舶の燃料効率の向上や代替燃料の利用が一つの解決策として挙げられます。
また、空船回航の削減や最適ルートの選定など、効率的な運航方法も重要な課題です。

■御前崎海運グループの取り組みの全体像

御前崎海運グループでは、サステナビリティを企業活動の中心に据え、環境保全や社会貢献を目指した多角的な取り組みを行っています。特に、CO2排出削減のため、小池造船海運とタイアップし、ガット船の技術革新に力を入れており、船舶の燃料効率を最大化するための設備導入や、最適な船型など、研究開発を積極的に推進しています。
また、再生可能エネルギーやバイオ燃料の導入など、主機メーカーから開発提案される新しい技術を精査、導入し、持続可能な海運を実現するための挑戦を続けています。

加えて、御前崎海運グループは、海洋環境の保全にも注力しています。船舶による排水や油分の排出を最小限に抑えるため、最新の技術を導入し、積極的な海洋環境保護活動を展開しています。
これにより、海運業界全体の環境負荷軽減に貢献し、持続可能な社会の実現を目指しています。

CO2削減と燃料の効率化:持続可能な物流の未来

海運業界における最大の課題は、CO2の削減です。CO2排出量を削減するためには、船舶の運航効率を最大化するだけでなく、使用する燃料そのものを見直す必要があります。

御前崎海運は、多くの船舶で使用されていたC重油からA重油へのシフトを完了し、CO2削減を可能にしました。また、主機メーカーや各部品メーカーによる技術開発が完了すれば、LNG(液化天然ガス)など、環境負荷の少ない代替燃料を使用することで、CO2削減が可能です。

また、空船回航の削減も重要な取り組みです。空船回航とは、荷物を積まずに船を運航することを指し、無駄なエネルギー消費を招く要因となります。これを削減するために、御前崎海運はガット船団の最適な航路や運航スケジュール設定を自社配船にてオペレーティングしています。これにより、燃料の消費量を抑えることができ、環境への負担を軽減できます。

■海洋保全と省エネ技術の革新

省エネ船舶開発は、海運業界のサステナビリティを実現するために欠かせない技術です。例えば、船体の形状や材料を改良することで、船舶の進行性能を向上させることができます。
これにより、同じ量の燃料でより多くの距離を航行できるようになり、CO2排出を削減することができます。また、船舶の推進性能を高めるための技術や試験も行われています。

より低摩擦で、効率的な回転を可能にする軸受けや、速力、燃料消費及び軸トルクを計算し最適なエンジン回転数を制御する装置など、新しい技術の導入が進んでいます。これらの技術は、燃料消費の削減だけでなく、航行中の安定性や安全性の向上にも寄与しています。

さらに、近海船、限定近海船建造の推進も環境負荷軽減に繋がります。
近海船、限定近海船は最短距離の運航を前提としており、これにより沿海船と比べて燃料消費量が少なく、CO2排出の削減が可能となります。御前崎海運グループは、これらの省エネ技術の導入を積極的に進め、持続可能な海運の未来を切り開いています。

■自然災害と森林保全:企業ができる持続可能な社会への貢献

海運業界も自然災害に対して無関係ではありません。気候変動が進行する中で、海上での自然災害が増加しており、それに伴うリスク管理が重要となっています。例えば、台風や洪水などの自然災害に対して、船舶の耐性を高めるための技術開発や運航の見直しが求められます。

また、森林保全も企業が積極的に取り組むべき分野の一つです。森林は二酸化炭素を吸収する重要な役割を果たしており、森林保全活動を通じてカーボンニュートラルの実現に貢献することができます。御前崎海運グループは、森林保全活動を支援し、地域活性化や雇用創出にも繋がる取り組みを推進しています。

■まとめ

海運業界のサステナビリティは、環境への配慮だけでなく、社会的責任や経済的利益のバランスを取ることが求められています。御前崎海運グループをはじめとする業界の取り組みは、持続可能な物流の未来を築くために欠かせないものです。今後も技術革新や効率化の追求を通じて、より良い社会を次世代に引き継ぐための努力が続けられることでしょう。